認知行動療法に学ぶ、自分の思考パターンに気が付く方法 (感情ノート④)
自己肯定感を上げ、やりたいことを見つけてイキイキと生きるための感情ノートをオススメする記事の、第5回目です。
心理療法の一つ、認知行動療法と照らし合わせても感情ノートは有効的です。認知行動療法を紹介しながら感情ノートの付け方を紹介していきたいと思います。
感情ノートはどんな人にオススメか
感情ノートを付けることの具体的な目的は、付けていくうちにそのメリットを感じたり発見があったりして、ノートをどう生かして何を実現したいのか、と自分なりに見えてくるものです。ルールやアレンジ方法は自由です。
とりあえず、始める動機として、こういう人にオススメです。
・自分のやりたいことを見つけたい
・自己肯定感を上げたい
・自分を変えたいと思っている
・不幸な気持ちでいる、幸せになりたい
・実現したいことがなんとなくでもあって、イメージを膨らませ叶えていきたい
・毎日を充実させたい
・人間的に成長したい
・物事の捉え方や思考癖を変えたい
・自分の心と奥深く向き合いたい
・不安や悩みで気持ちがモヤモヤする、ザワザワする
・日々を丁寧に暮らしたい
・頭を整理して次の行動計画を立てたい
・心身のセルフケアをしたい
・心のデトックスをしてスッキリしたい
感情ノートは最初は面倒だと思うかもしれませんが、友人が付け始めて3日目には「めっちゃおもろい!!」と言っていました。
彼女の場合は子供の頃から自分の感情を抑えて生きてきたので、「私ってこんなこと思ってたんや!」と知らなかった自分を知るのが面白いそうです。それは、人には絶対に見られたくない汚い言葉で表現されるものもあって、いかに自分が我慢してきて「どんな毒を貯めてしまっていたか」、という発見になったそう。初日に書いたものを数日後に見直し客観視することで、それまで苦しんでいた自分をクスクスッと笑ってしまえたと言います。何か思い返しても引っ掛かりがなくなったという時はデトックスに成功しています!!
普段は社会でいい人でいようとしたり大人な態度を取ろうとすると、彼女のように自分の感情を抑え込み、自分と向き合うことが二の次になってしまうことがよくあると思います。本当は気が進まないけど大人な態度を取って行動することが避けられない時に、「自分の本心には嘘をつかない」「自分では自分の気持ちをしっかり認識してあげる」ことが「自分を大切にする」ということです。
だけどそもそも気の進まないことを本当にしないといけないのか、それは思い込みではないのか、ということも一度丁寧に見るべきだと思います。
まずは何事も自分を知ることからスタートですね!
感情ノートを認知行動療法に生かす
実は感情ノートは、心理療法の一種である「認知行動療法(CBT)」としても生かすことができます。
CBTは、人にある考え方や物事の捉え方のパターンに焦点を当て、苦しい心理的症状の軽減を目指すものです。「考え方が変われば感情や行動が変わる」というアプローチによって、新しい生き方を手に入れます。
感情というのは出来事によって起こると捉えられがちですが、CBTによると、感情は自分の思考癖、思考パターンが作るものです。
感情は出来事をどう捉えたか=「認知」で変わります。
【感情を作るもの=出来事をどう認知しているか】
・自分の考え方
・これまで生きてきた中で出来上がった信念
・価値観や人生観
・思い込み
思考癖が感情を作る例
超簡単な例を挙げます。車の運転中で急いでいる時に渋滞に巻き込まれてイライラすることがあると思います。この時頭の中ではどんなことを言っていますか。「なんでこんな時に渋滞するんや、誰がチンタラしてるん?もー、許されへん、急げよ!」
これは瞬間的に頭に浮かんだ考えが自分をイライラさせていて、渋滞の原因となった事故車や道を阻む工事現場がイライラさせているわけではありません。自分の感情は自分の考え方が作り出しています。
出来事が感情を起こしていると思いがちなのでもう一つ例を挙げます。
例えばある人が一人過ごしていた休日、「何もしないで過ごしている」という出来事があって「悲しい、不安、虚しい」と思ったとします。
どうでしょう?こう思った人の感情はどこからやってくると思いますか?相手もいないし何も起きていません。
この人はこういう考えを持っていました。
「この先どうなるんだろう」「誰も自分を分かってくれない」「何をしてもうまくいかない」
考えようと思わなくても自動的にあれこれ浮かんでくることがあり、そうしたらいつの間にか寂しい気持ちでいっぱいになっていた、という状態です。
人がイライラしたり腹が立ったり悲しくなったり寂しくなったりするのは、出来事や誰かのせいではありません。自分の思考が作っています。
考えようと思わなくても、勝手に自動的に頭の中で浮かんでくる思考を「自動思考」というそうです。
どんな自動思考が起きているかに注目し自分がどんな思考癖を持っているか、それを認知するところからCBTは始まります。
自分の思考癖に気が付くために感情ノートを付けよう
感情ノートでは、その日の出来事を振り返り、どんな感情が起きたかを書きます。「悲しかった。だってさ〜」と書いていくと自分の思考癖を発見できます。
ポイントは何かの感情が起きた時に「頭の中でどう独り言を言っているか」を書き出すこと。例えば何か腹立たしいことが起きた時には頭の中で自分の正論を言っていたはずです。
その瞬間的に勝手に起こっている「自動思考」にまずは気が付いて客観視することが自分の思考癖を知ることです。
この先どうアプローチするかはまた別の投稿で説明するとしますが、思考パターンを改めると起こる感情やその先の行動が変わります。新しい生き方を手にするための感情ノート、あなたも始めてみませんか?
メリットや発見が色々あると思います、とりあえず自分なりに付けてみてください。
一日を振り返る時に「感情項目」がヒントになります。
感情項目リスト↓↓
今日のポイントまとめ
・自分の考え方を改め新しい人生を手に入れたい人は感情ノートを付けよう
・感情ノートは、認知行動療法(CBT)という心理療法に活かせる
・CBTは、自分の思考パターンに焦点を当てるところから始まる
・感情は出来事によって起こっているのではなく、思考パターンが作っている
・何か感情が起こった時の頭の中での呟き、独り言に注目しよう