美味しくって簡単、味噌を使って超健康になる!! 

日々体の調子、ココロの調子、人生をより良くするために要となる食事、それを考察するにあたって、オススメの良書を紹介します。理学博士渡邊敦光著「味噌をまいにち使って健康になる」です。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784434239939

ブログ筆者が朝一番に口にするものはコーヒーではなく、味噌汁です。味噌汁をよく食べるようになってから、健康面で、特に腸の状態がかなり改善したと実感しています。その訳が分かりました。味噌汁は毎日食べても飽きず、簡単に作れる上に、健康面、美容面でいいことづくめです!この本を読んでさらに伝統食である和食に誇りを持つと共に、味噌汁に惚れこみました(笑)

食生活改善が大切な理由、味噌が体にどう有用であるか、それを説明する部分のみ要約しましたが、是非ご購入いただき、余すところなくご参照ください♫

味噌を毎日の食習慣に取り入れるために、即席味噌スープの作り方を紹介しました。「a cup of MISO soup,体を強くする朝の一杯」も併せて参照ください。

ガン患者が減少したアメリカの栄養学の実績

1977年、アメリカの栄養学の常識を変えた「マグガバンレポート」をご存知でしょうか。アメリカではその頃、心臓病の医療費だけでも米国経済の大きな負担になっており、国を挙げて食生活改善を推進する国家プロジェクトが発足されました。

「マグガバンレポート」はその時の政府の報告書で「米国民の死亡原因の上位を占めている心臓病とガンの原因は誤った食生活にある」とし、1960年代の日本人の食事が、摂取エネルギー中の脂肪の比率が低く、炭水化物の比率が高く、理想に近い」と明言しています。

食事目標として

  • 食べ過ぎをしない
  • 野菜・果物・全粒粉穀物による炭水化物摂取量を増やす
  • 砂糖の摂取量を減らす
  • 脂肪の摂取量を減らす
  • 特に動物性脂肪を減らし、脂肪の少ない赤身肉や魚肉に置き換える
  • コレステロールの摂取量を減らす
  • 食塩の摂取量を減らす

アメリカでは『ヘルシーピープルプロジェクト』が80年よりスタート。それでアメリカ人の健康はどうなったか。ガン死亡率全体で死亡ピークだった91年と98年を比較すると20%も減少しました。すなわち、ここから言えることは「食生活を変えればガンは減らせる」「食生活の変化がガンの減少の実績になって現れるのには約20年ほどかかる(つまり今食べているものの影響が、20年後の健康に影響する)」です。

 

なぜ日本では急激な欧米化が進んだか・・・

マグガバンレポートで明言されたように、日本には健康的で素晴らしい食文化があったにもかかわらず、なぜこんなにも急激に食の欧米化が進んだのでしょうか。

1953年、小麦は世界的に大豊作でした。アメリカでも価格が大暴落し、余剰分の倉庫代だけでも日に何億円もの経費がかかるような状況でした。その販売先になったのが戦後で餓死者が出るほどに食糧難だった日本でした。54年にアイゼンハワー大統領はPL480法案(農業貿易促進援助法)を成立し、余剰農作物を日本で処理し、そこから得た資金で市場開拓に乗り出しました。例えば学校給食を通しパン食を子供達に浸透させることで欧米化型食生活の布石としました。56年からは「小麦は善、米は悪」と大規模に宣伝しました。厚生省からの栄養指導と信じ込まされた栄養士や保健婦が欧米化型食生活の素晴らしさを実演、試食付きで宣伝しました。ついには「米を食べるとバカになる」と米食を離れ、小麦を食べるべきだと主張する「頭の良くなる本」が60年に光文社から出版され、ベストセラーになりました。

パンや肉類、牛乳、脂料理、乳製品などが中心にあれば「進んだ食生活」とか「近代的食生活」ともてはやされました。栄養改善運動と見せかけて、実は改悪運動だったのです。

人間の体は習慣によって作られていく側面があるのは確かですが、戦後70年余年。遺伝子的に人の体に変化を起こすにはあまりに短い時間です。

アメリカの食料侵略は現在も続いています。

 

はるか昔から賞賛されていた和食

マグガバンレポート以前にもはるか昔から、海外から来た宣教師などによって和食は賞賛されていました。

例えば織田信長や豊臣秀吉にも接見した宣教師のルイス・フロイスが「日本覚書」の中で、当時の日本人の肉体や和食について書き残しています。「食べ物としては食物の調味に味噌を用いる。これは米や穀物を塩と混ぜたもの。塩を抜いて炊いた米を常食する。牛は食べない。生の魚を好む」とし、貧しい食事にもかかわらず「肉体が強健だった」としています。

初めてキリスト教を日本にもたらしたフランシスコ・ザビエルは、次のように記録しています。「日本では飼っている家畜を殺したり食べたりせず、時どき魚を食べ、少量ですが米と麦とを食べています。彼らが食べる野菜はたくさんあり、少しですが幾種類かの果物もあります。この地の人びとは不思議なほど健康で、老人たちがたくさんいます」

(この著書では紹介されていませんが、ドイツの栄養学者ベルツの明治初期の記録内容を補足で紹介します。それは、ベルツが東京から日光へ110kmを馬車で行った時に、馬を6頭乗り換え14時間かかったのに対し、人力車の車夫は1人で14時間半で走り抜けたそうです。そこで実験的に肉を車夫の食事に与えたところ、3日後には車夫の持久力が落ちて走れなくなり、食事を戻したところまた元気に走れるようになったという話です。もっと昔の日本人の強健さが伺えます。ベルツは、肉食は短時間で激しく大きな力仕事には向くが、植物性食品中心の食事は長時間耐久性のいる仕事に向くという考え方に至りました。)

食生活の西洋化に伴って、日本人には大腸ガンのような西欧的なガンが増加しました。西洋人に比べ、食物繊維を多く摂ってきた日本人の大腸は、彼らと比べると1mも長く、消化しにくい食物繊維に対応しやすい身体になっています。

そこで頼もしい味方が味噌なのです。味噌は、毎日食しても苦にならないほど日本人の食習慣に根付いています。味噌汁なら作り方が簡単です。しかも野菜や海藻など具にする食材の栄養を無駄なく摂取できます。なぜなら作る時に食材を煮ることで細胞壁が壊れ、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルや抗酸化物質が煮汁に溶け出すからです。そして後に述べるように、味噌の健康上の効果を示すデータが豊富にあります。具だくさんの味噌汁を毎日飲むことをお勧めします。

塩分の過剰摂取を避けるために味噌は控えるべきか

塩分を控えるべきという発想から、味噌を敬遠する人がいます。でも実際は味噌汁一杯分の塩分量は沢庵一切れよりも少なく、特別高いわけではありません。味噌汁を1日に3回飲んだとしても、塩分量は約3gです。現在日本人の平均的な塩分摂取量は、1日あたり男性で11.1g 、女性で9.4g、高血圧対策としては男性8g、女性は7g程度に抑えるのがよいとされています。コンビニ弁当一食につき3~5g、ハンバーガー1個で1.4~2.8gであることを考えれば味噌の塩分がそれほど多いものとはいえないのがおわかりでしょう。また、味噌に含まれる塩分は同量の食塩を摂取した場合と違うこともわかっています。詳しいメカニズムは分かっていませんが、味噌中に含まれる塩分は、食塩単独とは異なる作用をします。味噌餌と、それと同等量の食塩を含む餌を与えたラットで、胃ガンの発生率と、発生した腫瘍の大きさを比較する実験があります。通常、塩分過剰摂取は胃ガンのリスクになりますが、味噌餌を与えられたラットでは、食塩餌を与えられたラットよりも、胃ガンの発生率と腫瘍の大きさ共に抑えられました。そして、味噌の熟成度合いを初期のものと、熟成した味噌とで比較した結果、熟成した味噌の方が圧倒的に効果的でした。

 

 味噌は放射線を防ぐ

放射線を浴びると身体はどうなってしまうのでしょう。

急性放射線障害(放射線を浴びてほどなく現れる障害)

放射線量のレベルを高・中・低に分けてまとめます。

放射線量 高放射線量 中放射線量 底
中枢神経の機能が破壊され、数時間から1,2日で死に至ります
腸などの消化管に障害が起こり、出血したり壊死したりします。下痢や血便が生じ、2~3週間程度で死に至ります。
血液を作る機能に障害が現れます。骨髄の中で白血球が作られなくなり、免疫力が極度に低下します。簡単な感染症に太刀打ちできず10日間~2週間、長くても1ヶ月程度で死に至ります。

晩発性放射線障害(20〜30年後という長い潜伏期間を経たのちに現れる深刻な障害)

造血障害、皮膚障害、白内障、様々なガンなど。放射線はDNAを傷つけます。被爆後に子供を作った場合、次世代に影響が出る可能性はあります。

*微量な放射線は自然界に元からあるもので生命にとっても必要であるとさえ言われています。恐ろしいのは、不自然な量の放射線を被爆した場合です。

 

このように放射線は多く浴びれば深刻な悪影響を及ぼしますが、浴びる以前から味噌を摂取していると、その障害が緩和されることが実験で確認されました。研究の結果、味噌に含まれる『メラノイジン』という物質が有効だと分かりました(メラノイジン以外にも味噌の力を示す成分があることがわかってきています)。

マウス実験結果だけでなく、実際疫学的な症例もあります。長崎で被爆した秋月辰一郎という医師がそうです。先生たちは被爆後、畑に残っていたかぼちゃやナスを味噌汁にして食べたそうです(ブログ筆者補足:他に、玄米と黒ごま塩を合わせて食し、砂糖を禁じました)。爆心地からわずか1.4kmという距離で被爆したにも関わらず、病院関係者の中には原爆症を発症した人もガンでなくなった方もいらっしゃらないのです。(ブログ筆者補足:さらに驚くべき点は、当然畑の野菜も被爆しているにも関わらず、味噌汁と玄米のおかげで健康的に歳を重ねられたということです)秋月医師は、彼の著書の中で「患者の救助、付近の人々の治療に当たった職員に、いわゆる原爆症が出ない原因のひとつは、ワカメの味噌汁であったと私は確信している」と語っています。

他にも被爆者に聞き取り調査をした風呂広子博士によると、味噌を食べていた人の多くに原爆症の予防効果や症状軽減がみられたとしています。

どんな味噌がいいのか

マウス実験では、「2年程度熟成」させた味噌がもっとも効果があるらしいと出ています。麦味噌、豆味噌、米味噌と、味噌の種類では効果に差はありません。熟成度の高いものを食べたマウスほど、放射線照射後、小腸の細胞再生活動が活発でした。熟成が進んだ味噌には健康や美容に絶大な効果を発揮するメラノイジンが豊富に含まれます。ただし、5年熟成、10年熟成の味噌は効果が減少、熟成期間が長すぎても良くないようです。

味噌でガンを含む三大疾患や高血圧を予防する

1990年から10年間にわたって40〜59歳の女性21.852人を対象に、味噌汁の摂取量と乳がんの発生率の関係を追跡した研究があります。「1日一杯以下」しか飲まない人を1とすると、「1日3杯以上」の人の乳ガンリスクは0.6。つまり4割減なのです。また、大豆に含まれる成分としてよく知られる「イソフラボン」ですが、イソフラボンをたくさん摂っている人ほど(特に閉経後の女性は)、乳ガンになりにくいという結論も出ています。他、ラットに乳腺腫瘍が発見された日から通常のえさ、抗がん剤入りのえさ、抗がん剤と5%の味噌を混ぜた餌、抗がん剤と10%の味噌を混ぜた餌を与えて経過を観察した実験があります。結果、乳腺腫瘍のあるラットでも味噌の量が多ければ多いほど、腫瘍は大きくならないことが分かりました。

つまり、味噌は乳ガンの発生を抑える、乳ガンの成長を抑える、この2つの効果があることになります。別の発ガン性物質を与えても、味噌を食べさせたラットのグループは、腫瘍ができたとしても良性で、乳ガンになる数も少なかったのです。他、(類似例の繰り返しになるのでここでの実験詳細は割愛します、著書を参照ください)胃ガン、肺腺ガン、肝臓ガン、大腸ガンに対しても、味噌のガン抑止効果が確認されました。

また、他の実験でも味噌が高血圧にも効き、脳卒中、心臓疾患にも有用であると分かりました。血圧を抑える仕組みとしては、イソフラボンやメラノイジンも関わっているとされています。メラノイジンについては、ACEという酵素の働きを妨げることが分かっています。ACEは血管壁の細胞の中にあり「血圧を上げるホルモンの生成を促し」「血圧を下げるホルモンを分解する」のですが、その活動をメラノイジンが妨げるので、血圧が上がりにくくなるというわけです。

血圧が下がれば同時に脳卒中や心筋梗塞のリスクが低くなると言えますが、実験でもそれらの発症を予防することができると証明されました。遺伝的に「脳卒中を起こすラット」に通常餌、味噌餌、食塩餌(味噌餌と同じ塩分量)を与える実験をしたところ、脳卒中の発生は食塩餌でもっとも早く生じました。味噌餌と通常餌では同じでした。遺伝的に脳卒中になりやすい因子を持っていたとしても、しかるべき食生活を心がければ発症を予防することができるのです。そして脳梗塞や心筋梗塞のリスクは、イソフラボンの摂取量に応じて、低くなることがわかっています。

肥満予防、肥満改善

脂肪肝のラットに対して味噌餌を与えると、肝臓に蓄えられた脂肪が減少。高コレステロールのラットに脱塩味噌餌を与えたところ、通常餌のラットに比べて血中コレステロールが低い状態を維持しました。味噌の原料である大豆の有効成分のうち、リノール酸と大豆レシチンにはコレステロール上昇を抑える働きがあり、大豆たんぱく質に含まれるペプチド、食物繊維のサポニンなどにも同様のコレステロール低下作用が認められており、これらの機能は味噌に加工された後も変わらないことが分かっています。

 メラノイジンが腸を掃除!ダイエット効果・美肌効果あり

腸には1000種類、1000兆個もの細菌がいて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分かれます。メラノイジンは善玉菌を増やすのに役立ちます。ラットの実験では通常餌のラットと比べて、メラノイジンを加えた餌を与えたラットでは、通常餌のラットと比べて乳酸菌が10倍にも増えることが分かりました。乳酸菌の働きが活発になれば、便の排泄もスムーズになり、腸はきれいになります。腸内の粘膜組織の再生が活発になり、老廃物を効率よく排出。発ガン性物質のような悪いものはもちろん、体内の老廃物も溜め込まずに済みます。そのため、ダイエット効果、美肌効果、老化予防をもたらします。

 味噌のDDMPサポニンが老化予防に抜群の威力あり

体内に過酸化脂質が増えると、血管や脳細胞など、あらゆる細胞の老化が促進されることがわかっています。その大きな原因の一つが活性酸素です。その有害な活性酸素に太刀打ちする成分をラジカルスカベンジャーといい、これを多く含んだ食物を摂れば老化を防ぐことができますDDMPサポニンはラジカルスカベンジャーであるという研究発表がありますが、味噌に含まれるそれが群を抜いて有効だったといいます。

 骨粗鬆症の予防対策になる

骨粗鬆症の最大の予防対策は、カルシウムを多く含んだものを食べ続けることですが、豆腐などの大豆製品にもカルシウムがしっかり含まれています。特に味噌汁は出汁をとるのに使われる煮干や鰹節、具に使われる豆腐やワカメ、野菜類にもカルシウムが含まれます。もちろん味噌にも含まれますから、具だくさんの味噌汁を食べることで効率よくカルシウムを摂ることができます。

 糖尿病予防

大豆イソフラボンにはインシュリン(血糖値を下げるためのホルモン)の働きを改善する働きがあります。また、味噌の褐色色素・メラノイジンに、食べ物の消化速度を遅くする効果があることがわかっています。消化速度が遅ければ、食後の血糖値の上昇も緩やかになります。そうであればインシュリンを分泌する膵臓への負担も少なく、肥満や糖尿病へのリスクも低減されます。食べたものはゆっくり消化・吸収されるのが健康には理想的なのです。これは腸内の消化酵素の働きをメラノイジンが抑制した結果でした。さらには味噌の中には血糖値を下げる物質も見つかっています。

 まとめ

ガン、高血圧、糖尿病、美容などの対策に有用でああり、味噌がいかに万能選手かお分かりいただけたでしょうか。味噌に含まれる成分がいかにして作用するのか解明されているものもあれば、状況証拠だけでメカニズム解明に至っていないものもたくさんあります。古い文献にあたると、元禄時代に出版された『本朝食鑑』に「味噌は体を温めて気分を和らげ、血行や便通を良くし、体を丈夫にし、食欲をそそらせる効果がある」と書かれています。先達たちにとっては経験で語り継げるほど実感されていたのだと改めて感じます。味噌文化が1300年もすたれることなく存続しているのは美味しいだけでなく、まさに「体に良いものだったから」なのでしょう。

 

要約しなかった章の簡単な紹介

要約しなかった第5章では、味噌の活用法や手軽に楽しむ方法を、第6章では味噌の成り立ちや種類、賢い買い方などを知ることができます。これら2つの章も大変読みごたえのある面白いものとなっています。是非手にとってみてください。

↑キンカン入り味噌汁。味噌と柑橘類の相性も良いです、お試しあれ!

味噌を毎日の食習慣に取り入れよう!即席味噌スープの作り方はこちらのページ「a cup of MISO soup,体を強くする朝の一杯」を参照ください。

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2018年03月13日 | Posted in ライフスタイル, 食習慣・健康 | | No Comments » 

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