なぜ米国ではエリートや医大生がアートを学ぶのか!?アート思考を手に入れろ!

海外ではビジネスシーンでもトレンドに!アートが世界で求められる理由

デジタルが現実世界に溢れるようになってから、私たちは「自分だけのものの見方や考え方」を喪失してしまってはいないでしょうか。コロナ時代になってから、なんとなしにデジタル世界で過ごす時間がさらに増えたという人が多いと思います。ネットニュースやSNSやYouTubeなど、デジタルに親しんでいる時間が圧倒的に多いと実体験との差異を知らぬまま、現地に足を運ばずともそれら投稿内の場所やイベントをそれなりに知った気分になりがちです。また、何かを眺めている間の大抵は思考が停止している中、発信者の感想や意見を私達は無意識にただただ受信しがちです。

例えがいいかは分からないけど、デジタルに頼ってからは「漢字が書けなくなった」という人が多いように、私たちの日常にデジタル世界がどっぷり侵食してきたことで、観察力、創造力、知覚力、感性といった人の能力が鈍ったり、あるいはそれらを発達させる機会を多く失った気がしてなりません。

観察力、創造力、知覚力、美意識、感性など発達させることは今、ビジネス界でも求められています。なぜなら、たった今はコロナ不況ではありますが、豊かさが広がり世界中で「自己実現の追求」がされるようになった昨今、世界経済市場が「自己実現欲求の市場」になりつつあるからです。インスタグラムなんかはいい例です。つまり、今の時代は個人が何を購入したか、どんな家に住んでいるかが「自分らしい生き方の表現」になっています。市場が、「多様な自己表現欲求を満たすためにある」以上、これまで重要視されてきた論理的思考や機能的優位性を示す能力よりも、人の自己実現欲求を刺激するような感性が重要視されるのです。

では、観察力、創造力、知覚力、美意識、感性、これらを鍛えるにはどうしたらいいでしょう?

その答えはアート遊びです。

ビジネスシーンにおいてもNYやロンドンではグローバル企業の幹部が美大やアートスクールでトレーニングを受けることがトレンドになってきているそうです。例えば次々と革新的な家電製品を生み出すダイソン社の創業者であるジャームズ・ダイソンもイギリスの名門美術大学院を出ているそうです。

 

米国の医大生は絵画観察トレーニングで何を身につける?

ボストンのBrigham and Women’s Hospitalの心理科学チームによる、人の胸部のCTスキャンを使った研究があります。

試しによく見てください、以下の画像に異常な点があるのを発見できますか?専門医でなくても分かるはずです。

🔽研究の出典:

The (Really Scary) Invisible Gorilla

発見できましたか?

画像右上にゴリラのシルエットがあります。熟練した放射線医24名にこの画像を見せたところ、発見できた人はたったの4名だったそうです。20名がこのゴリラに気が付かなかったのです。

このゴリラは、「標準的な肺がん陰影の48倍サイズ」という大きなものだったにも関わらず、発見できなかった20名中8名は目を向けることすらしていず、残りの12名は直視していたのに気付かなかったということが、眼球の動きを確認して判っています。

これは「予期しないものは頭に入ってこないもの」ということを示す研究でしたが、「観ているつもりでも見えていない」ということは恐るべきことではないでしょうか?

近頃有能なはずの医学生たちの知覚力が落ちていることを懸念したイエール大学のメディカルスクール(医学大学院)を発端とし、ハーバード、UCLA、コーネル、コロンビア、スタンフォード大学などアメリカの多数大学では、医学生の見る能力、知覚力を鍛えるために「絵画観察トレーニング」を採り入れているそうです。

ビジネスシーンだけではなく、サイエンスの分野においてもアート思考でアプローチしていく時代なのですね。

 

こんな授業受けたかった!!オススメ著書の「13歳からのアート思考」

観る力をつけることは思考力を磨くことです。まさに、観る力をつけるためのオススメの著書があります。

この本では単に知識を詰める本ではなくアート遊びをしながらアートの面白さを体感させてくれます。

楽しすぎて脳が震えました!!

いくつもの絵や美術品を題材にして、その作品の時代背景にある価値観とアーティストが発見したこれまでの常識を打ち破る表現方法、社会で定義づけされた価値観ではなく物事を自分の基準で判断するヒントが知れて、かなりワクワクして読み進めます。簡単なワークが用意されているので、ただ見るのではなくチャレンジしてアート体験をぜひしてください!

本書でも「『自分なりのものの見方・考え方』がぼやけてしまっている人にとって、アートはとても優れた刺激剤になります」と述べられています。

著者は次のようにも述べています。

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心から満たされるためのたった一つの方法は「自分が愛すること」を見つけ出し、それを追い求め続けること。そのためには、「常識」や「正解」にとらわれず、「自分の内側にある興味」をもとに、「自分のものの見方」で世界を捉え、「自分なりの探求」をし続けることが欠かせません。そしてこれこそが「アート思考」なのです。

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アートは何も高尚なものでも難しいものでもありません。絵を描いてる人や物作りをしたりと具体的な表現活動をしている人、斬新なことをする人だけがアーティストという訳でもありません。かつての私もそうでしたが、アートに触れる機会のなかったの人にとっては「アートは不可解なもの」として興味すら持てない場合もあると思います。しかしこの本ではそんな多くの人が持ちがちなアートの枠組みを取っ払ってくれます。

そして「アーティストとは自分の好奇心や内発的な関心から価値創出をしている人」と定義し、人生そのものがアートだと示しています。つまり、自分の人生を自分らしく、どう開花させるかを指南してくれています。

「ワクワクする人生を創出するには」といった誰しもが持つ問いに、よくある自己啓発書とは違った手法で応えてくれています。

ぜひ手に取ってみてください!

 

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2021年04月06日 | Posted in コラム, 一緒にワクワクしよう★★ | | Comments Closed 

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