モノづくりの背景を伝える展示会
↑12月の展示イベント「漆器と酒とワタシ」での、「ろくろ舎」の漆器の展示室
「アートはよく分からん!」という人へ
美術品や工芸品に限ったことではないですが、モノづくりの背景を知ることでモノを鑑賞するときの自分の着眼点が次第にできて来ます。
様々な作家や職人から直接話を聞くのが一番ですが、読み物を通してでもとにかくモノづくりの背景を知ると、モノに触れるときの見方やその手への取り方が変わってくるのです。興味を持って眺めるようになり、そのモノづくりから長年の叡智や心を感じ取ろうとする触手に変わってくる。単にデザインが気に入っただけのモノよりも、モノ自体の価値観が高まる。
モノづくりの背景とは作り手がどういう心や意思で作っているか、どんなストーリーを想像して作っているのか、特に工芸であればどんな伝統を引き継いでいるのか、それが発展した土地の歴史や風土など色々とあります。
まずはその製法をいくつか知れば手に取ったモノがどう作れられたか想像できるようになるし、モノづくりの工程で作家や職人の情熱や苦労に思いを巡らせることができるようになります。
↑漆器の塗りの工程、完成までの13段階を展示 (撮影 by ろくろ舎)
手に取ったモノをヒントに自分が作れるとしたらどんなものを作りたいかを妄想して創作の楽しさを少し味わうのもワクワクする。
私の場合は「もし自分だったらどう作るか・・・」と考えてみると手に取ったモノが素晴らしく完成されすぎて、それ以上の実際のアイディアが全く浮かばず作家や職人の創造力や技術にただただ尊敬の年を抱くことが殆どですが・・・。
日本の伝統的な製法だけでなく、作家や職人が独自に研究を重ねて開発した製法を知ることでも「そんな風によく作ろうと思ったよな〜〜!!」なんて、その豊かな創造力に感動したりもします。
↑壁には「ろくろ舎」の酒井くんのパネルを展示 (撮影 by ろくろ舎)
私が展示会企画をする理由にはいくつか理由がありますが、「伝統工芸や美術品に触れた時の楽しさを感じてもらいたい」「モノの価値を再定義しより暮らしを豊かにするきっかけにしてもらいたい」と考えています。実際モノづくりに挑戦した人にしかその本当の「凄さ」は分からないかも知れないけど、できるだけモノづくりの背景を伝えることが大切だと考えます。
↑「ろくろ舎」の漆器のオーダー会「オンリー椀」(撮影 by ろくろ舎)
オーダーをしようとするときに、それなりの値段もすることもあってかなり真剣に見ます。これはいい体験でした!オーダーするまで「漆器を見ているようで見ていなかった」と感じました。どの木地でどの形でどの塗りでと自分のお気に入りを選ぶ時に、本当に本当に真剣に見て感じようとするので漆器の楽しさや面白さをより感じることができました!
写真真ん中が酒井くんですが、彼の展示方法はモノそのものだけでなく、最初から私の「モノづくりの背景を伝える」というテーマに沿っていました。他にこの日は、「ろくろ舎」の工房の様子を伝える動画も再生していました。
ろくろ舎の漆器のおちょこで最高に美味しいお酒が飲めるように当日は酒と料理の名店「燗の美穂」さんをお招きしました。
また、アーティストのスウェーデン光輝(みつき)さん、前川サチコさんにお越しいただき、素敵な演奏でイベントを盛り上げて頂きました。
レ コッコレとしては酒粕で作ったクッキーなど販売していました。
部屋いっぱいに来場がいて忙しくて会場の様子などほとんど撮れなかったのですが、レコッコレのお客様とはできるだけ撮りました。こんな感じでした↓↓
準備は大変ですが、面白い展示会を企画していきたいです!そしてできるだけその時にレ コッコレの料理も提供していきたいと思っています。